麻紙(まし)とは、麻(あさ)の繊維を原料とした紙です。麻布や生の麻繊維を使って紙を漉(す)く技法は、最も古い形態として考えられており、
日本では奈良時代から重要な公文書の原紙(黄紙)や写径の材料として使われてきました。
その原料は、アサ科の1年草である大麻草の繊維や茎などを利用した建築材料で、『ヘンプ』と呼ばれることもあり、これは大麻草の英語名『Hemp』から
きているといわれます。日本国内では栃木県、滋賀県で栽培されていますが、国内では都道府県知事が発行する大麻取扱者免許がないと栽培できないので、
その原料は非常に高価なものとなっています。
壁紙と言うと、現状としてほとんどの人がビニルクロスを思い浮かべると
思います。ビニルクロスは比較的安価で、燃えにくく柔軟性に優れます。
非常に多くのデザインがあり、種類も豊富にそろえられています。
さらには施工も簡単なため、現在ではとても身近のものとなりました。
しかし、ビニルクロスは手軽な反面、使用場所や使い方に注意が必要と
なります。材料自体や接着剤にシックハウスの原因物質が含まれること
があるので、材料選びや組み合わせが重要なのです。
また空気を通さないため、消臭や抗菌などの機能には、効果に期限がある
場合もあります。経年とともに劣化・変色・変質など、素材自体の時間的な耐
久性はそれほど強くないので、定期的な張替が必要不可欠となります。
それに比べ麻紙は薄く、空気を通します。つまり、素材自身が呼吸できるのです。やわらかい光を通す素材でもあるので、照明器具の“かさ”としても利用
されています。何より『環境に負担を与えないエコ素材』として注目されています。
麻紙は、麻の繊維に限らず、様々な物を混ぜて作ることができるので、“ゴマ”や“乾燥させた海草”を混ぜるなんて事も。
ご家族で海に出掛け、お子様が取ってきた海草を混ぜたり、草花を混ぜる事が出来たら、素敵ですね。
一枚一枚が手づくりという事もあり、クロスに比べると高価に感じますが、そのオリジナリティは家の壁を彩ってくれる、趣きのある素材として
ご提案をしています。
写真:cafeギャラリ-納屋 訪問時撮影
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