日本古来からある伝統工法である、板倉工法での家造りも完成を迎えました。この建物は母屋とは別棟で建てた離れで、けっして大きな建
物ではありませんが、それが茶室の如く、かえって心地良い空間を創り出しています。ある時は、ゲストルームに、ある時は、団欒で鍋を囲む
空間に…程よい大きさの空間ゆえ、使い勝手も、季節や使う人によって変わっていきます。木と漆喰の外観も、鎌倉の樹々の中に溶け込みな
がらも、控えめながら存在感を放っています。
早速、お客様からのレポートです。ご友人と10人程で鍋を囲んでの酒宴だったそうです。注目すべきは、瀬戸漆喰で仕上げた内壁と、厚み
30mmの杉材で構成された、構造材、天井、床が、室内の湿度を調整するだけでなく、板倉工法の特長である音響効果もあった様です。宴
の中、音楽を流していたそうですが、非常に心地良い音との事でした。ホームシアターオーディオルームとしても最適ですね。
今回の使用材は、壁・屋根下地、床など、全て厚い材を採用しているので、自ずと木材がもつ断熱性もいかせたと思いますよ。無垢材の厚
板は、素足でも足ざわり良く、暖かいです。瀬戸漆喰で仕上げた内装は、湿度を調節するだけでなく、遮音性や壁自体が臭いも吸い取って
いるようです。ペットを飼われている方にもお勧めなし上げ材料です。
冬期の暖房の目的で、エアコンを設置しましたが、夏場のエアコンは必要が無いように、風の流れを考慮して高窓の位置も計画したので、出
番はなさそうです。
樹齢300年の杉の座卓や下足置場、高窓の開閉用の梯子なども造りました。使い込んで頂く事で、味わいが増す無垢材ですが、耐久性も
高く、新建材(こちら)を使用した建物より長持ちします。もしや数十年後に解体した際、全て土に還る材料だけで造っていながら、鎌倉の様
な多湿な地域にも適応している工法・材料なのです。決して、日本の伝統工法や漆喰、障子は過ぎ去った過去の物では無いのです。むし
ろ現代はもとより、子供達の明るい未来にとっても、非常に有効で、これらに変わる物が無いと言っても過言ではないほどの工法や材なので
す。建物は決して『消耗品』ではありません。
施工に関してはお客様の知り合いの方がやられたそうです。少し重たい感じがするので、弊社で少しだけ見た目のバランス調整のお手伝い
をさせて頂く事になりました。これから季節にかけて、緑が映えてもらえれば良いです。芝桜も植えてあります。新緑の頃にもう一度、撮影をし
たいと思います。
ワイズは、湘南の建築を創造していきます
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