外壁の仕上げを行う前に下地を造らなければいけませんが、その下地の造り方によって、ワイズでは、建物の温熱環境が左右されるほど重要な部分であると
位置づけています。
■ まずは『遮熱』とは?
断熱材には色々な種類の製品がありますが、それらのほとんどは熱の放射を止める効果は少ないのです。現在の国の基準をみても、断熱に関わる所に『遮熱』
という考え方はありません。それなので熱が伝わり易いか否かで判断する伝導率という基準だけで判断する傾向にあり、断熱性を高める為には、材自体の性能
をあげるか、断熱材を厚くするしかありません。しかし、現実は物質上、種類も限られていて、厚くするにしても限界があります。本来、断熱材には、湿気対策等の
複合的な性能も必要なので、ただ単に断熱材を厚くする考え方では正解ではありません。
たとえると、宇宙飛行士が宇宙空間で生きていられる理由は?
宇宙空間は絶対零度の世界。しかし、水も空気もないので地球上のような形で熱が奪われる事はありません。強烈な太陽からの輻射熱から人体を守り、日陰側の冷輻射により体温が外に
逃げない様にすれば良いのです。因みに地球のまわりの宇宙空間は150℃~-150℃で温度差が300℃あるらしいです。それらを防ぐ為にはアルミ箔による輻射作用を利用すれば良い
のです。宇宙服が断熱材だけで作られたら、きっと数十センチになってしまい動けない状態になるでしょうね。家も原理はそれと同じです。
夏場の太陽光で熱せられた外壁からは輻射熱が発生し、断熱材を伝わって室内の温度上昇を引き起こします。そこで、断熱材に達する輻射熱を抑えるために、
透湿・防水シートに輻射熱を反射する遮熱機能を付与したものが遮熱(シート)と呼ばれています。
遮熱性能を最大限に活かす為にも、気密状態にする事が必須です。シートの継目や隙間は全て気密テープで塞ぎます。
この遮熱シートは透湿性、防水性は従来の透湿・防水シートと同等の性能を有し、さらに透湿性・防水性・耐久性そして遮熱効果を併せ持つことが可能で、
より快適な住空間を得ることができます。勿論、太陽の日射で暖められた外壁からの輻射熱を軽減することで、建物の温度上昇を防ぎ、空調設備への負担軽減
による省エネ・コスト削減も期待できます。
木造住宅の外壁の中は、室内からの湿気が入ります。流入を防ぐ方法として「ペイパーバリア」と呼ばれる室内にビニールシート(ポリフィルム)を張り、湿気を含ん
だ空気を入れなければ結露を起こしようがないという考え方があり、フラット35などの指導要綱にも記されています。しかし、この工法では、冬場はともかく、夏場に
湿気が逃げる所が無くなる為、室内で結露を起す事になってしまう工法です。
施工時の数ミリ程度の隙間でも、集中的に湿気が流れ込み、壁内の湿気による結露やカビが発生する事故が過去に多く報告されています。この壁体内結露は、
結露によって壁内の木材が腐って建物の耐久性を低下させます。元々は北米で採用されていた工法なので、日本の高温多湿の地域には合わない工法なの
です。現実的にも数ミリの隙間すら作らない施工は人の手では困難かも知れません…。
このような状態を改善するために壁体内の湿気を外部に放出する手段として『外壁通気工法』という方法を採用しています。壁体内の湿気を透湿防水シートで壁
を覆い、外壁材との間に外気が流れる層をつくることによって、壁内の湿気を透湿防水シートから通気層を通して外部に放出する方法です。 この工法のメリット
は、壁体内結露を少なくすることが出来る事にあり、その結果、建物の耐久性が向上することになります。ただし、ただのシートでは通気層に熱いまま、冷たい
ままの空気が入り込むだけで、何の効果も無いと考えています。通気層内で遮熱シートによって遮熱・対流を起し、上昇気流によって湿気や熱を逃がす工夫
をしています。
※「ペイパーバリア」に使用するフィルムでも、温度によって、夏場は通気させ、冬場は通気させない機能を持つ魔法の様なシートも国外品で存在します。
ワイズでは個々の建物のコンセプト によって使い分けをしています。
◆ Y’sの家づくり【9】 木摺+漆喰の家 羊毛系断熱材
◆ Y’sの家づくり【8】 木摺+漆喰の家 木摺+漆喰②(高強度漆喰・瀬戸漆喰)
◆ Y’sの家づくり【8】 木摺+漆喰の家 木摺+漆喰①(高強度漆喰・瀬戸漆喰)
◆ Y’sの家づくり【7】 木摺+漆喰の家 遮熱外壁通気
◆ Y’sの家づくり【6】 木摺+漆喰の家 耐久性 ホウ酸
◆ Y’sの家づくり【5】 木摺+漆喰の家 耐震・制振ダンパー
◆ Y’sの家づくり【4】 木摺+漆喰の家 遮熱+二重野地(通気)
◆ Y’sの家づくり【3】 木摺+漆喰の家 上棟
◆ Y’sの家づくり【2】 木摺+漆喰の家 基礎
湘南 ワイズは地域の建築を創造していきます