日本で現在主流の家(木造在来工法)の造り方をみると、造り方は高床式に近いと思われますが、高床式に住み始めて1500年以上経った今、日本の家づくりは夏の暑さに耐え、冬の寒さに耐える工夫をしてきたでしょうか?
屋根は藁(わら)や茅(かや)、瓦を使わずに、金属やセメント製の防水性に長けている材料に移行してしまいました。
水を吸わないこれらの材料は、太陽の熱ですぐに材自体の湿度を吸収し温度をあげてしまいます。外壁も同様に土や木から樹脂混入の建材やセメント系、金属製の建材が多く、同じく水を吸わない性質の為、室内の温度をあげてしまいます。
壁の中にはいっぱいに断熱材が入り風の通り道を塞ぎ、その断熱材自体が吸放湿性に劣る場合や、家自体をポリエチレンシートなどで囲う次世代省エネルギー基準の高気密住宅の場合、気密性がよくなる半面風の通りが無く、外気温と室内の温度差が大きくなり、壁内外で結露が起きやすくなり、構造材である木が腐りやすくなってしまいます。
余談ですが、最近流行の漆喰、珪藻土ですが、再三、樹脂入りの製品がほとんどでとても自然素材とは言えないとの話をさせて頂きましたが、いくら仕上げ材が良くてもビニールシートで囲っていては意味がありません。まるでカシミヤのセーターの下にラップを巻いて、暖かく、通気性も良いね、と言っているようなものです。
基礎を設ける事により、地震には強くなりましたが、床下の風通しが悪くなり、床下の湿気が溜り、木が腐りやすく、シロアリの被害が多くなってしまった。現代の住まいは、結果、暮らしにかかる消費エネルギーが3倍~4倍にも増えたと言われています。日本の住環境は、戦後、70年余りでそれまでの伝統、伝承を無くしてしまったとも言えるのです。
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