【Y’sで使う材 漆喰】 そして珪藻土の真実

【本来の漆喰が持つ性能とは?】

近代において新建材が多く使われる様になってから起きたシックハウス症候群や、化学物質過敏症の原因の主たるものとされるホルムアルデヒドなどシックハウスの主原因ともいわれる化学物質の吸着分解の機能があるものとして注目を浴びてきているからか、漆喰は部屋の壁や天井などにも多く使われる様になってきました。漆喰自体の性質であるアルカリ性から、抗菌や防カカビなどの効果も期待できます

漆喰を塗ると水が蒸発した後、ほぼ石灰の固まりになります。そして、漆喰(石灰)は酸素ではなく二酸化炭素を吸いながら、長い時間をかけて硬化(石化)するのです。その速度は厚さ1mmに対して、約10年とも言われています。通常、本漆喰は3mm程度を塗っています。そうすると約30年間、石化するまで性能を発揮してくれる計算になります。

ところがローラーで仕上げられている商品の厚さは0.5mmすらないのでは?これでは材の性質が仮に同じだとしても本来の性能とはほど遠いですね。

安かろう、悪かろうでは家の為にもお財布の為にも、なにより健康の為にもメリットにはなりませんね。

 

木摺漆喰

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【珪藻土とは?】

珪藻土の建材としての歴史は比較的浅く今から約20年前と言われています。

長い歴史をもつ漆喰と違い、珪藻土の歴史は非常に浅いのです。身近なものでは、バーベキューなどで使用されている七輪が珪藻土です。

 

珪藻土とは、海藻(藻類)の一種である珪藻の殻等が、長い年月をかけて、化石化した蓄積物(土)の事です。一慨に珪藻土と言っても、全国各地で採掘されています。各地の風土や環境によってその性質も違います。

 

私の知る限り、全国でも稀有な性能を発揮しているのは、北海道稚内の珪藻土(珪藻頁岩)があげられます。吸放湿率の実験結果によると(数値が高いほど性能が高い)岡山2.5%、大分2.6%、秋田3.2%、石川4.9%などに比べ、北海道稚内は14.8%と他には比べられないほどの性能があります。(図参照)

床下や押入れなどの除湿対策でよく使用される竹炭や活性炭などの比較でも、他をはるかに上回る性能が見られます。

 

湘南 ワイズ

 

珪藻土漆喰に限らず、性能に求められるのは吸放湿です。吸っている(吸水)だけではダメで放出しなくてはいけません

 

しかし、この珪藻土は単体では固まる事ができない特性があるので、単体で壁や天井などに塗る事は不可能です。それらを可能にする為には漆喰に混入をしたり、合成樹脂などの化学物質を混ぜて固める事が多く、一般的にカラーバリエーションが多い珪藻土は、石油系有機顔料を使用していることが多いのです。しかし、それでは既に自然素材では無くなってしまっているのです。

 

塗材にする為には、珪藻土を加工(焼成)する必要もあります。その焼成の温度によっても大きく性能に違いが出てしまい、中には、本来の珪藻土がもつ性能をほとんど失っている商品も存在します。因みに七輪の名産地である能登などでは、固めるのではなく、切り出す方法で作られているそうです。良質のはずですね。

材の性質をよく理解し、適材適所に使用することが家の環境を整え、永く住まえる『家』をつくるのです。

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前回の「Y’sで使う材」の記事は⇒コチラ

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