先人の知恵と現代の知恵
Y’sの家づくりは、流行の工法や材を追うのではなく、昔から伝わる材を用い、伝統的な工法や手法を基本としながらも、Y’sオリジナルの部材や工法を駆使し、家づくりを行なってます。
しかし、いくら伝統のある技法や材があれど、安易に見聞きしたままそれらを用いる事はしません。それらの特性や安全性などをしっかりと自らが実験、検証をおこなった上で、時にはそれらを計測し、数値化するなどして再確認を行った上で、確実に把握、納得した上で実際の現場で採用するようにしています。
床下エアコン。計画した理論値通りかサーモグラフィーを使用し計測。
現場管理では抜き打ちでサーモクラフィを使用するなどして、施工管理のチェックや温熱データを計測しています。古の技を現代の技術で検証する事により、より安心で確実なものづくりが出来る事にもなります。
検証?実験?一般の方から見れば、それは造り手として当たり前の考えでは?と思われるかも知れませんが、現実は、工場で生産される既製品が氾濫し、現物を見ずともカタログだけで発注が出来き、それらの材だけで家づくりを行う事が当たり前になってしまった感は否めません。造り手は、自ら疑いも、検証もせずメーカーの情報だけが頼りで『カタログに書いてある』と自らは責任を持たず、責任はメーカーへ・・・の考えが常識となっています。悲しいかなこれが現実でもありません。
しかし、私達の様にベニヤや樹脂、接着剤などの工場で作られた新建材(建築材料)を使わないで家づくりをしている者は全国をみても皆無に等しいと言われていますが、私達が用いる天然の材である土や草木には取扱説明書はありません。箱を開ければ直ぐに使える物でもありません。
そのような事もあり、私達は、仮に以前のデータがあっても、それらの数値を活かすべく、ただの机上の理論とならないように、日々、実験や検証を繰り返し行なっています。
計算上の数値だけで判断するのでは無く、設計士、職人共々、そのメカニズムを知る事でよりその材や構造を知る事になります。机上の理論だけでは、安全で確実なものづくりは出来ないのです。
建物を地震から守る為、構造計算を行なう上で法律で定められた数値(係数)があるのですが、値さえ覚えていれば計算は出来ますが、実際に物体がどの様に動き、どの様な破壊につながるかは数字だけでは表せません。材は天然の木なのです。本来、耐力を支えるべき箇所に小さな「節」があるだけでそこから破断してしまいます。それは数値や計算だけでは表しにくい事でもあります。それなのでこういった実験を日々おこなう事が重要なのです。
版築ヒーターの温度測定検証風景。検証を繰り返して、実際に商品として提供が出来るまでに3年の歳月がかかりました。
キッチン壁には、土の畜熱性能を活かした版築ヒーター。何度も実証実験でトライ&エラーをした事でその工法や材を徹底的に知る事が出来、それが完成につながります。
数値。ただ単に数値を追えば良いわけではありませんが、つくり手として、安易に数値だけを過信しないように、時には現代の知恵をもって自ら実験・検証を行なう事が大事だと私達は考えています。数値で表す事は、お客様に説明や解説をするうえでも、より理解をして頂く事にもつながります。
Y’sはこれからも、家づくりの為に日々の研鑽を怠らない事を約束します。
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