断熱材の種類・工法に惑わされない!
断熱は施工力が重要!
断熱材の設置方法は、柱や梁などの構造躯体の外側(外壁側)に設置する【外張断熱】工法と、柱や梁の空間に設置する【充填断熱】工法に大きく分けられます。外張断熱(外断熱)と充填断熱(内断熱)はどちらが良いの?と漠然とした質問を受けることもありますが、結論から言わせて頂くと、木造建物の場合、どちらも優劣があり、地域にもよりますが、大きく差はありません。
一般の方にはなじみの少ないQ値、K値、R値などの数値で表しても、あくまで机上の数字であり、施工した断熱部に内部と外部の箇所にほんの数ミリ程度の隙間でもあれば、そこから冷暖気や湿気が進入します。それにより壁内結露などを起こし、壁内部にカビの温床をつくり、人体への影響も懸念される状況となります。
どの様な工法でも、どの様な断熱材を使用しようとも、性能に大きく影響を及ぼすのは、それらを施工するつくり手の能力が問われます。断熱工法の基本原則は、気密性=施工力なのです!
Y’sでは、断熱材の施工の際、目視では、分からない様な、軽微な隙間も見逃さない為に、気密性の確認の為、全棟、施工中にサーモグラフィーを使用し、充填状況の優劣を検査しています。
快適に住む為に!家に求めたい性能とは?
断熱材は、家の床、天井、壁に配置されます。一般的な二階建ての家の場合、屋根裏や床下など空間に接する天井や床断熱とは違い、壁の断熱材は外気と一番近い場所に接するので、断熱材の性能に大きな期待をし、数値で比較し、優劣をつけたい気持ちも分かります。
宣伝、広告文句に騙されない!断熱材だけが家の住み心地を決める材ではない!
国の指針は、今も昔も断熱に関わる材の数値上の性能だけを優先していれば良いという考えしかないようですが、一般的に断熱材を使用した家づくりの歴史は30年にも満たないのです。当時とは資源やエネルギーに対する意識も実情も違いますので一慨には言えませんが、はたしてそれ以前の建物は本当に快適ではなかったのでしょうか?90年代、省エネの名のもとに、高断熱・高気密だけを推奨し、その結果、「シックハウス症候群」という病を作り出してしまいました。机上の理論だけでものづくりをしてしまった結果ともいえます。
たとえ話ではありますが、断熱性能だけを優先した家、それはまるで発泡スチロールの中で生活をするかの如くです。確かに、断熱性能は高く、室外の冷暖気は遮り、室内の冷暖気は外へは逃がさないかもしれません。しかし、想像をしてみて下さい。室内の湿気を逃すすべが無い為、結露が起こり、カビの発生を増大させる家になってしまいます。
季節により冷暖の差が大きく、高温多湿の日本の気候風土での家づくりでは、家の中でも大きな面積を占める『壁』に、断熱性だけを優先し、家づくりを行うと、むしろ住みづらい家になってしまう可能性があるのです。人が直に触れ、体感する床や壁には、断熱性能だけではない、家の住み心地をきめる上で、重要な他の性能も必要になるのです。
Y’sの家づくりでは、『壁』には、室内環境を優れたものにする為にも、断熱性能の他にも、蓄熱・遮音・調湿などの性能を持たせたいと考えています。Y’sの真骨頂でもある『土』を多く家づくりに採用するのがその理由なのです。
本当に快適な家づくりとは?
そもそも我々の住む日本は、南北にも東西にも長く、その土地によって気候風土が異なります。気温や湿度が高い地域もあれば低い地域もあり、日照率も違います。本当に必要なことは、地域によって異なる条件に合わせて個々の家づくりを行っていく事ではないでしょうか?
また国の方針同様に、各メーカーから、断熱材の性能は、数値化されています。専門家はその数字だけを指針として家づくりをしてしまっているのが現状です。全国展開している大手ハウスメーカーが、地域によってつくり方を変えていないのが今の時代を物語っています。断熱材に求める性能も、断熱性だけではなく、防音、調湿、臭気取りなどの性能を発揮できる種もあります。正確に選定を行い、その際忘れずに耐久性にも注目して頂きたいと思います。
Y’sの家づくりでは、断熱材を使用する場合は『羊毛』の断熱材を使用していますが、その理由は・・・
徒然草に「家の作りやうは、夏をむねとすべし・・・」と綴られていたように、古来より住まいは風を通すことに重点が置かれていたようです。快適な住まいをつくるためにも、地球の限られた資源を保つためにも、四季を通じてエネルギー使用をできるだけ低減させる工夫はあります。熱損失の大きい窓をつくり過ぎない、夏場の日射を防ぎ、冬場の日射は取り込むことが可能な位置、寸法で屋根(庇など)をつくるなど、日本に昔から伝わってきた家づくりの考え方、創意工夫が色々とあります。それらを踏まえた上での断熱材、断熱化であって欲しいと願っています。
夏場は『夏障子』を使用し涼を感じながらも、遮光や網戸としての機能を・・冬場は『冬障子』に入替え、気密性を向上させて、冷気の進入や結露を防ぐ機能を持たせる・・・日本人が育んだ、日本の風土にあわせた知恵ではないでしょうか。
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