建物は、2019大磯物件の第2弾、《焼杉つかいの家》の続きになります。
《焼杉つかいの家》①/3 New case ⇒コチラ
に引き続き、今回は室内のご紹介になります
ご夫婦+お子様2名(まだ1人は赤ちゃんです)のお住まい。ご主人様とは、数年前より二人三脚で土地探しからの長いお付き合いで土地を探した事もあり、当初は独身のご主人も、建物完成までに、結婚、お子様の誕生とまるで親戚の様に経過を見させて頂いた事もあり、ご主人のお人柄を長いお付き合いで理解が出来ていた事もあり、よりご家族で安心して住まえるようイメージは沸きやすかったかも知れません。
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間取りは、お子様の成長と共に可変性を持たせる為に、当初は2LK+パントリー+2F階に大ホール。お子様の成長に合わせて、数年後には、最大3LK+納戸+パントリーとなります。ここで気づかれた方もいるかも知れませんが、2LK・4LKとD=ダイニングの文字がありません。文字通り、ダイニング専用のスペースは設けておらず、その分のスペース(面積)を他の共用スペースやパントリーなどに加える事としています。
そして、リビングは畳敷です。この畳スペースが肝であり、リビングでもあり、ダイニングでもあり、時には急な宿泊者の為の就寝場所にもなりうるスペースとなります。最近の傾向として、ダイニングスペースの考え方に変化が起きています。ダイニング=主に食卓となりますが、ご家族のライフスタイルにもよりますが、朝は、ご家族皆様で朝食をとる事もあると思いますが、昼は、お子様やご主人は学校や職場につき、奥様ひとりで昼食(奥様も働いている時は誰も使用しないスペースとなります)。夜は、ご主人の帰宅が遅く、奥様とお子様だけでの夕食など、現代の生活環境では、その様なお宅も多いのでは無いでしょうか?
ダイニングは、畳で言うと約4帖~ほどのスペースが必要となりますが、建坪30坪前後のお宅が多い中、最低でも4帖のスペースが効率的に使われていない可能性も有るのではないでしょうか?その4帖からのスペースをパントリーなり、ご家族共用の納戸なり、または将来、ご家族が増える可能性も考慮すれば一部屋つくる事も可能な面積なのです。新築当初は、ダイニングで食事をするも、いつの間にかテーブルの上は物置に・・・そんなお宅も少なく無いのでは?しっかりとご家族皆様での住まい方を想像し考え、無駄になる。又は無駄になるかも知れないスペースをつくらない事が後の生活環境にも影響をします。何より、本当に住みやすい家となり、そしてそおれが本当のコストダウンにもなるのです。
勿論、食事はダイニングテーブルで行う事が前提のご家族もありますので、絶対ではありませんが、これから家づくりを計画の方は一考されてみてはいかがでしょうか?
奥様の要望もあり、キッチン裏の大きなカウンターでお子様が小さい時は食事なども可能です。
キッチン奥の引戸の先には、パントリー(多目的納戸)があり、そこから外部へと続く勝手口ドアがあります。このパントリーは、洗面脱衣場のもアクセスがあり、サーフィンがご趣味であるご主人は、外シャワーでざっと身体を洗い、勝手口→パントリー→脱衣場→浴室と移動が出来る間取りとなっています。急な来客時なども、人の目に触れずに、バックスペースで移動が可能になります。またY’sの家づくりでは定番ですが、勝手口は、外部の暑い寒いを直接受ける事になりますので、引戸一枚を介す事により、北側や日当たりの悪い場所に配置しがちなキッチンの温熱の悪影響を劇的に改善することにもなります。
キッチンの並びや奥に勝手口ドアが有りませんか?冬季に寒い思いはされていませんか?それは間取りが原因かも知れません。
動線は通り良く。2階へのアクセスも直線1本です。家事での移動や人の動きは単純な動線ほど使い易いのです。
階段下は後にペレットストーブが設置出来る様に配管などは施工済。TV台はつくり付でTV本体は壁設置の為に配線済。
Y’sオリジナル木製サッシ
今回の家づくりでは、Y’sオリジナルの木製サッシを採用して頂きました。海外、国内問わず、多くの木製サッシメーカーが存在しますが、外気温が-10度~での使用を前提としている為か、非常に気密性は良いですが、その為、ものすごく高価な品となっています。幸い私共の主施工地域である神奈川県では、気温が氷点下となる事が珍しく、そこまで適用気温を下げなくとも使用に耐えられます。Y’sが木製サッシをつくるのは、単に見栄えを求めた訳ではなく、使い勝手・性能・コストなどに見合う商品が存在しない事から、オリジナルでの製作を進めました。
因みに下の写真の左にあるW2500H2000の引き違い窓の場合、とある国内サッシメーカーの価格は、ゆうに100万円を超える価格となります。窓1か所に100万円・・・とてもでは無いですが、そこまでコストをかける必要があるとも思えません。それであればアルミサッシでは?勿論、ダメでは無いですが、結露の問題が発生します。それであれば樹脂サッシは?今回は、深く触れませんが、耐久性がアルミサッシに比べて極端に劣る事が挙げられます。今回は一般的な引き違い窓タイプでの使用ですが、これが引き込みタイプの窓であれば、それこそ専門の木製サッシメーカーの品を採用すれば軽く200万円の声を聞くことになります。それでは採用したくとも採用が出来ないのが現実では無いでしょうか?
Y’sオリジナルサッシ 引き込みタイプ 一例 ⇒コチラ
Y’sの基本理念『無いモノは造る』
上記の理由から木製サッシをつくる事になりました。建具本体はもちろん木製。材質は杉材です。障子を取り付ける枠はアルミ材は特注で製作し、止水などの納まりを良くし、網戸はあえて既製品を使用しコストを下げています。※枠まで木製にするメリットは少ないです。ガラスは勿論ペアガラスであり、アルゴンガス入りになります。今まで多くお客様に採用を頂きましたが、結露を起こした事例はありません。見た目もアルミサッシ独特の冷たさもなく、木の温かい(実際にアルミと比べ温かい)顔を室内外に安らぎを求める事が出来ます。
外から。網戸は既製品を採用していますのでアルミ色が見えますが、アルミ枠は、ほとんど目立ちません。夏障子を作用して頂ければアルミ網戸も不要になります。
内障子 弊社では冬季に使用して頂く(冬障子)と夏場に使用して頂く(夏障子)を冬障子・夏障子と分けて呼ばせて頂いています。
例)夏障子 網戸の機能もブラインド機能もあります。部屋内から外は見えますが、そのから室内は見えません。先人の知恵ですね。
内障子の性能の高さには驚かされます。和紙と木で構成される厚さ30mmほどの内障子ですが、冬障子は、カーテンやブラインドでは得られない室内の温熱環境調整能力や少ない光量でも拡散させる和紙の能力。一度、内障子だけを題材にして、HPにアップしたいと思います。驚くほどの能力なのです!
内障子は引き込み、戸袋に収納が出来る様になっています。他にも季節により使用しない内障子を格納する場所も他所に設けています。
右上にはリビングエアコン。右下には床下エアコンが隠れています。Y’sの家つくりでは、採用、不採用にかかわらず、後にでも設置が出来る様に、基礎のつくり方から構造までを考慮し、標準にて装備されています。
Y’s 床下エアコン ⇒コチラ
床下エアコンの吹き出し口。竹材でつくっています。熱の損失入が大きくなる、ガラスが大面積となる掃き出し窓下に設置してあります。
無双戸に裏には床下エアコン。定期的なフィルターのお掃除も可能です。
出来れば無機質なエアコンなども、リビングだけでも少しは目立ちにくい様に隠したいですね・・・
畳スペースは15cmの段差を設けています。段差は、それ以上でも以下でもダメなのです。段差を設ける事により、畳部へのホコリの侵入を防ぎます。腰掛ける事が出来る絶妙な高さでもあります。
玄関先にも床下エアコンの吹き出し口。室内どこにいても温度差が小さくなる工夫になります。
最後に玄関となりますが、引き込み戸となっています。網戸も収納されており、夏場や気候が良い時は網戸で通風を得て頂いています。夏場のエアコン使用は不要です。
長文にお付き合いを頂きまして、有難う御座いました。
一つのお宅をとってもY’sの家づくりは、ご紹介したい箇所が多くあり、1回ではおさまりません、、、
今回も1階内部のご紹介だけで終ってしまいました・・・
次回は、最終③
2階へ。土壁づくりのご紹介へと続きたいと思います。
Y’s お問合せ⇒コチラ
是非、参考にして頂ければ・・・
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宜しければ⇒コチラのY’sの裏話もご覧下さい!
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