建物は、2019大磯物件の第2弾、《焼杉つかいの家》の続きになります。
《焼杉つかいの家》①/3 New case ⇒コチラ
《焼杉つかいの家》②/3 New case ⇒コチラ
に引き続き、今回は2階のご紹介と共に土壁の工事中の開設とご紹介になります。
今回は、《焼杉つかいの家》のご紹介の最終となります。1軒の家づくりをみても、土地探し(建築地の検討)からはじまり、家に何を求めるかで、間取りや機能もそれらに合わせて連動をする事などをご紹介させて頂きました。今回は《焼杉つかいの家》の最終ともありますので、本建物の特徴の一つでもあり、Y’sの家づくりの象徴的な工法でもある【土壁】を機能面だけでなく、施工中のご紹介もさせて頂きたいと思います。
まずは、少しだけ前回の続きとなります、、、
巷に多い洗面脱衣室は、文字通り、洗面室と脱衣、洗濯機置場で1室となりますが、誰かが入浴中に洗濯機が回せない、手洗いも出来ない、、、その様な経験はありませんか?とても非効率であり、使い勝手が悪い事にもなります。Y’sの家づくりの多くは、洗面場と脱衣洗濯場は別としています。多くの洗面脱衣室は、寸法で言うと1820×1820=約3.3m2=1坪=畳で2帖が多いと思いますが、写真の洗面室のサイズは1365×1820で脱衣洗濯室の大きさは910×1820になり、合計すると (1365+910)×1820=約4.14m2=1.25坪=畳で2.25帖となります。1m2も数値が違わず、畳で例えるなら、約半畳だけ増やすだけで機能的な間取りが出来るのです。
洗面台には可動式(引戸式)の鏡があり、その中は収納となっています。コンセントも設置してあり、電気カミソリや電動歯ブラシなども充電しながら収納が可能です。
洗面ボウルは、陶器製で巾も広く、深さもあるので、お子様の靴や汚れものの着け置き洗いも可能です。木製の無垢カウンターには亜麻仁油が主成分の撥水兼保護剤を塗布していますので、お子様使用時の水撥ねも心配無用です。照明壁は奥様が選定されたモザイクガラスタイル。
洗面台の背面にはリネン庫。上は棚は必要に応じて棚板を設置出来様に可動棚レールを設置し下は物入又はランドリーBOXなどを入れても良いかも知れません。たった畳2帖程度の洗面室+脱衣洗濯場でありますが、コンパクトの空間の中、とても機能的につくられています。
それでは、いよいよ2階への階段をのぼります
2階へあがると、まずは洗面台が、、、お子様の成長に伴い、朝の多忙な時間帯、洗面台の取り合いを心配された(笑)ご主人のご要望で増設です。2階にはトイレしか水回りがないケースも多いですので、2階に少しでも給水や排水が出来る場所があると便利ですね。
単体でも立派に使用出来るような洗面台になります。棚も多く設置し、将来は化粧品が並ぶのか、、、2階はプライベート空間ですので扉は不要ですね。
階段を上がっていただくと2階は大きなホールとなっています。この大きなスペースは、お子様に成長に合わせて仕切りと戸を入れる事で、1室+納戸が確保できるつくりになっています。
後々を考慮したプラン計画が大事!
良くアドバイスをさせて頂きますが、家は10年単位で使い勝手が変わると説明をさせて頂いています。今は小さいお子様も10歳前後では部屋を持ちたがります。建築時に中高校生のお子様がいるご家庭などは、10年後に独立し家を出ている可能性もあります。成人のお子様も同様で10年後は、、、決して現在の状況で家づくりをプランしない事が大事かと思います。このお宅の場合は、
現在はホールとして多目的に利用し、10年後には、ご家族の成長と共に部屋や増えていくだろう物に対応する為に納戸もつくり、さらに20年後には、もしかするとまた現在のような多目的なホールに戻るかも知れません。又はご夫婦別々の趣味の個室になるかも知れません。
アドバス
後の改修に備えて、壁は撤去するより、増壁をした方が圧倒的にコストが安く済みます。要は現在ある壁や天井を撤去した改修を行うより、壁や戸のみを付け加えてあげる改修の方がコストはかからず、感覚的には3倍~5倍くらいのコストの違いになるかと思います。
Y’sの真骨頂【大壁・土壁】
良くお客様に土壁のイメージを問うと「和風」と言う言葉が返ってきます。それは柱などが表し出ている純和風の『真壁』のイメージがあるからでは無いでしょうか?真壁は木にとっては機能的な構造でメリットも多いのですが、現代の多くのライフスタイルや家への住まい方を見ると、どうしても大壁(洋風の壁・柱などが露出していない)も検討せざるを得ません。
Y’sでは高性能である土壁で大壁をつくる構造、工法を長年研究をしてきました。その結果、それまでは不可能とされていた土壁づくりでの大壁を完成させました。この土壁造りでの大壁は、見よう見真似では技術的にも構造的にも成り立ちません。見た目だけでは、地震など災害の際に簡単にボロボロと壁が落ちてしまうなど問題が多く生じる事にもなります。弊社が知る限り、東日本で土壁の大壁を標準で施工が出来る会社はY’s以外に無いと思います。
本来はすべての建物、部屋を土壁でつくりたいのが本音ですが、如何せん、どうしても標準的な弊社の土の糊土仕上げと比べてもコストが高くついてしまいます。
『糊土仕上げ』⇒コチラ
建築費=コストは、ある意味一番大事な検討事項でもありますので、気持ちはあっても無理にお勧めする事は出来ません。そこでアドバイスさせていただくのですが、家全体を土壁にせずとも、寝室やビリング、客間などだけでも土壁にされては?と話しをさせて頂いています。
今回の家づくりでも、2階の寝室だけは大壁・土壁づくりで施工をさせて頂きました。パッと見は、一見、他所と同じ仕上げになりますが、土壁は糊土と違い、厚さが最低40mm以上になるように土を厚く塗っています。今回は土及び土壁の恩恵の話は致しませんが、土壁の持つ性能、能力には注目して頂ければと思います。
『知られざる土の特性』⇒コチラ
『Y’s土の家』⇒コチラ ※現在はモデルハウスではありません。
一見みても、どこが土壁部分なのか分かりません。それは見た目だけは、土壁でない壁との差を無くしたい思いから仕上げ方法を工夫しています。
これがY’s式 土壁の下地になります。この工法は、安に土壁と呼ぶのではなく『木摺土壁工法』と呼ばせていただいています。細かい杉材をあらかじめ決まった間隔に建物に打ち留め、それを木摺下地と呼びます。その下地の上に特別に配合された土を左官職人が塗り付けていきます。裏と表で合計40mm以上となります。
下塗り+中塗り+(場合により仕上げ)で完成します。下塗り風景
大壁・土壁完成
不思議な事に、このお宅の完成見学会に来場して頂いた方々に、土壁の部屋を見つけて下さい、、、とクイズを出して見たところ、なんとすべての方が一見して見分けがつかない土壁の部屋を言い当てる事が出来ました。皆様『空気が綺麗な感じ』『音が静か』『涼しい』(冬は暖かい)との意見を頂きました。そうなのです。その頂いた感想こそが土壁の持つ特徴であり、能力なのです。全員が正解するほど体感に五感に感じて頂く事が可能でなのです。
最近では土壁に興味を持って頂いているお客様も増えてきました。これからも日本の先人の知恵でもある土壁と併せて、Y’s式の大壁土壁を普及するべく活動や家づくりに励んで行きたいと考えています。
3回に分けて《焼杉つかいの家》の長文にお付き合いを頂きまして、有難う御座いました。
Y’s お問合せ⇒コチラ
是非、参考にして頂ければ・・・
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《焼杉つかいの家》①/3 New case 専用通路があえて良い土地とは? ⇒コチラ
《焼杉つかいの家》②/3 New case ⇒コチラ
土間のある《焼杉の平屋建》 ⇒コチラ
古材と土の家①へ ⇒コチラ
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《赤土壁》のある家 へ ⇒コチラ
「Y’sで使う材」の記事は⇒コチラ
宜しければ⇒コチラのY’sの裏話もご覧下さい!
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