日本の床・・・そもそも畳とは?
基本的に畳の構造は大きく分けて「畳床」、「畳表」、「畳縁」から出来ています。畳床(たたみとこ)は、40cmもの稲藁(いなわら)を重ねたものを厚さ5cmになるまで縦横5~7層になるように圧縮し、縫い上げていきます。
その芯床の上に、イ草を編み込んで出来た敷物状の畳表(たたみおもて)で包みます。縁には畳表の固定と装飾を兼ねて、畳縁(たたみべり)と呼ばれる帯状の布を縫い付けますが、琉球畳などで知られるように縁の無い畳もあります。
稲藁を重ねて圧縮した畳床。
交互に重ねることで強度を増し、長く使用することができます。
畳の歴史は古く、現在の畳の構造に近いものは、平安時代(1200年前)頃から始まったと言われ、庶民が使用できるようになったのは江戸時代中期以降のようです。当時の日本は大陸からの伝承・伝来によって発展・進化したものが多い中、畳は世界にも類がない日本固有の床として今日まで受け継がれてきました。
畳の現状
昨今の家づくりでは、フローリング(板間)の床が好まれ、畳の採用が減少しているようです。実際、新築マンションや建売物件でも、和室が無い、畳が存在しないお宅も多いようです。ある調査では、平成5年に4500万枚あった国内の畳表需要量が、平成24年には1490万枚にまで減少したというデータもあり、この20年間で、約3分の1にまで減ったことになります。
これからの畳とは?
日本の住宅から畳が姿を消しつつある原因としては、
・欧米式のLDK化に伴い、テーブルやソファなどの家具を使用するようになったこと。
・日本人のライフスタイルが変化し、洋風化に価値観を見出し、広まったこと。
・洋室よりも和室(純和風)を作るとコストが高くなりがちになると思われていること。
などが挙げられますが、板間(洋風)空間の一部に畳があっても良いのです。
畳のいいところは、住む人のライフスタイルに合わせて、多目的かつ自在に使えることです。昼間は座敷や応接間として機能し、夜は寝室に早変わり、といった使い方が出来るのも畳の部屋ならでは。また、応接セットの入った洋間より、多人数の人が座れるのも畳の利点でもあります。
しかし、日本の住宅事情を考えて・・・
別に一室、和室を造らなくても良いのです。「洗濯物をたたむ際」、「お子さん、お父さんの昼寝場」、「急な来客、泊り客」など、ほんの3帖ほどの畳でも十二分に用は足りるのです。
一戸当たりの住面積の狭い日本の住宅では、臨機応変に使用できる畳のスペースをもっと見直して有効に使いたいものですね。それこそ昔の、本来の使い方のように板間に敷くだけで利用が出来ます。世界最高の建材である日本の畳を絶やさないために、皆様、畳の利用をお勧めします。
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