着手前
【建築概要】 平成5年竣工 共同住宅(6世帯)/構造:木造(枠組壁工法)/間取:2DK/主な仕様(既存)【床】フロアーシート・フローリング 【壁・天井】PB+ビニールクロス貼【造作材】栂・スプルス 【断熱材】ロックウール+防湿フィルム
改修工事
既存壁の撤去・建具開口内法引上げ・造作材(サッシ枠)交換・内装材変更・設備交換・配線工事 等。
構造上問題ない範囲で施工を行います。
床張替え
既存のフローリングは撤去。洗面室・トイレまで統一して国産無垢材(当該物件は天然秋田杉)へ変更。
木摺り漆喰施工
今回は寝室のみの仕様。元々の石膏ボードを撤去。表しにした構造材上に、木摺り(7mm×36mm程度)をすき間を等間隔に取り付けます。
巾木には杉板(厚11mm×巾18mm)を採用。
素材は“瀬戸漆喰(牡蠣殻抽出素材配合高強度漆喰)”を8mm。木摺りにしっかり塗りこみます。表面は撫でもの仕上げ。
木摺り漆喰 施工風景
壁・天井
寝室以外の壁・天井。石膏ボード上に内装塗装用紙下地(パルプ)を施工後、ローラー塗りタイプの漆喰(消石灰+焼成ホタテ貝)を塗装。
ビニールクロスは一切使用しません。
造作家具
杉材(国産) 自社加工。
収納家具は、大工手造り。杉板を張り合わせて巾ハギ材にしたり、小さな穴を開けて手掛けにしたり、一枚板ではなく簀(すのこ)仕様でつくる。
あえて扉を設けない事で、コスト削減に繋がり、さらに床を広く見せる効果もあります。
水廻りの小さな棚板にガラスを採用する事で、掃除しやすく、可能な限り広く使えます。
造作建具
建具は、和紙貼りで仕上げました。
湿気のこもりやすい収納内部でも、建具を通して呼吸が出来るように‥。
ビニールよりも肌触り良く、もちろん化学的な匂いもしません。
checkpoint
賃貸物件ならではの狭い玄関収納スペース。両側を杉板で通し、調整出来る簀(すのこ)製の棚だけ取付け、奥の壁面に漆喰を施工。
扉を設けない代わりに漆喰による調湿・消臭効果を利用します。
完成
◆アパート改修工事 施工費 195万円 施工期間 1.5ヵ月 (参考)