2014年5月31日(土)
第5回ものづくり工房湘南村 漆喰かまど作りを開催しました!
湘南村で漆喰かまど作りの開催は2回目。
前回に比べ人数を限定し、さらには前回にはなかった3合サイズも登場。
1合かまど18台、3合かまど4台 32名の方に御参加頂き、スタッフを合わせると約50名のイベントとなりました。
前回同様、漆喰かまどの講師をして頂くのは、発案者である愛知県名古屋市の勇建工業加村義信氏。
そして今回初めて御参加頂く明喜左官店 二井成男氏を筆頭に現役左官職人の直接指導の元、イベントがスタートしました。
まずは、屋外に出て、「日干し煉瓦」作り。
木枠にたねを入れ、鏝(こて)でならし、そっと引き上げます。
「懐かしい匂いがする!」と、目をきらきらさせる参加者。
気が付けば、最近、“土”の匂いを感じることは確実に少なくなってきていますね。
漆喰かまどを構成する「日干し煉瓦」。
今回作られた日干し煉瓦は、次回開催の際の材料に。
こうして皆様のものづくりを“つないで”いきます。
日干し煉瓦が組まれた状態から、中塗り土を塗る作業へ。
大まかな形はここで決まります。
先生のお手本ですらすら動いていた鏝は、とても扱いが繊細で、土をきれいにならすのはとても高度な技。力の入れ具合が、、難しい。
今回、現役の左官職人である参加者や、以前にも漆喰かまど作りに参加されていたリピーターの方が多数。
親戚へプレゼントに、という思いを込めて製作に取り組む方も。
「漆喰かまど」は、自然由来の素材だけで作られています。自然由来の材…石、土、砂は劣化しません。
すなわち、漆喰かまども同じ。日本に伝わる歴史ある建築物のように、大事に扱っていれば、何十年、何百年、姿そのままに存在します。
家づくりの原点が、ここに感じられます。
一緒に参加されたお子様には、前回どろ団子作りの講師をして頂いた左菊 鈴木先生指導の元、どろ団子作りの特別授業!
土のアートも体験です。好きな色を組み合わせて…、上手にできるかな?
お昼の時間に近づいたころ、展示していたかまどを実際に使い、準備していたお米を設置、一斉に火をつけます。
水に浸した米、固形燃料に着火し30分。火が消えてから10分蒸らした頃が一番の状態です。
いい香りが会場中に広がります。
湘南村恒例“まかない飯”!
今朝獲れたての「生しらす」をご用意致しました。
しその葉をのせて、お好みで生卵を。おみそ汁は生わかめでシンプルに。
中塗り状態のかまどの水分を飛ばす間、ひとやすみです。
地元湘南ならではの味!!小さなお子様も、即、完食です。
そして、午後の工程に…
軽くバーナーで炙り、水分を飛ばしその後、下塗り、上塗りで仕上げです。
下塗り用の漆喰は、糊の量を仕上げ用よりも多めに、さらに大理石の粉を混ぜ合わせたもの。
粘り気を強くし、仕上げ用漆喰の水分の吸収を程良く調整します。
そして仕上げには本漆喰。下塗りでコーティングした分、水気のあるやわらかい質感を作ります。
いよいよ、完成が近づいてきました。
同じ材料を使っていても、作品はひとつひとつ違った表情をしています。
“もの”には、その作り手の想いが最も現れます。
大きく盛られた土を見て、「さわっていいの?」と聞いてくるお子様がいました。
「どろ遊びしたことある?」と聞いてみると、どろ団子を作ったことがない、砂場で山のトンネルを作ることもない、とか。
驚いてしまいました。小さい頃の外で遊んだ思い出と言えば、砂あそび。どこまでも深く掘ってみたり、大きな山を作ったり、
限りなくあそぶことができました。そんな経験は、だれもが体験するあそび、と思っていました。
日本に生きてきた、伝えられてきた、自然由来の材。
そこから感じられる事、学べること、役立つ事は、たくさんあります。
古くから伝わるものだからこそ、明らかにされていなかった性能が、近年また、見直されつつあります。
工場では、自然素材は作れません。
人の手で作れるもの、人の手間で育てたものこそ本当のものづくりです。
湘南村とは、人の生活の原点である“家”づくりに携わる人々の集いです。
ものづくり、ひとづくり、まちづくり。
湘南村では、単なる工作で終わらないように、遊びながら、触れながら、感じながら≪学≫んで頂ける場を
これからもご提案していきます。
Y’s staff.